以下は、仙台市民オンブズマン さんからの転載です。

〈転載開始〉

2005.7.4 警察庁長官に抗議文と公開質問状

http://www.ombudsman.jp/fswiki/wiki.cgi/police?page=2005%2E7%2E4%A1%A1%B7%D9%BB%A1%C4%A3%C4%B9%B4%B1%A4%CB%B9%B3%B5%C4%CA%B8%A4%C8%B8%F8%B3%AB%BC%C1%CC%E4%BE%F5

最終更新時間:2005年07月07日 13時27分07秒

警察庁長官 漆 間  巌 殿 2005年7月4日

県警犯罪捜査報償費に関する抗議文兼公開質問状

仙台市民オンブズマン 代表 坂 野 智 憲

1,浅野史郎宮城県知事に対する批判について,厳重に抗議する

新聞報道によれば,貴職は,本年6月30日の記者会見において,浅野史郎宮城県知事が宮城県警の捜査報償費予算の執行を停止したことについて,「警察活動に対する介入で,言語道断だ」と批判されました。

しかし,そのような貴職の発言こそ,地方自治及び県知事の予算執行権に対する「介入」であり,ここに厳重に抗議いたします。

2,警察も説明義務を果たすべきである

警察といえども,県予算を使う以上,その適正な執行を県知事及び監査委員に(ひいては県民に)説明し,これをきちんと証明すべきです。血税を費消す る組織である以上,当然の責任です。ところが,これまで宮城県警はそのような責任を全く果たしてきませんでした。それどころか,宮城県警は予算執行書類を 目隠ししたり,捜査員や協力者からの聞き取りを拒否して監査妨害をしており,特に前者の目隠しは,本年6月21日言い渡しの仙台地裁判決によって「法に則ったものとは言い難い。」と指摘されています。

3,仙台地裁判決の指摘と全国での不正経理

この仙台地裁は,報償費の使い切り,不自然に平均的な執行状況,鑑識課の報償費支出について実例を示せないこと,鑑識課の報償費が短期間で配分され なくなったこと,警視庁における不正疑惑,北海道警の不正,宮城県情報公開審査会の答申内容,宮城県による定期監査と知事要求の監査に対する県警の対応, 知事の提出要求を拒否する県警の対応などについて詳細に検討した上で,「総合すると,平成12年度の宮城県警本部の報償費の支払いの相当部分が実体がな かったものと推認する余地がある。」「鑑識課の平成12年度の報償費の支払いのすべて(総額123万円分)について,実体がなかった疑いが強いというべき である。」「報償費の支払いとしてその実体を欠く支出がされたとすれば,これによって宮城県に損害を与えたことはいうまでもない」と判示しました。宮城県 警でも不正経理が行われていたことが裁判によって明らかになったのです。もはや,報償費の不正経理は,北海道,福岡,高知,京都,愛媛などでも明らかと なっており,全国共通の問題となっています。

4,貴職の発言はいかなる事実を確認してなされたものか

貴職は,これらの経過と上記判決の事実認定をどこまで把握して「言語道断」との批判をされたのでしょうか。貴職は,全国の警察において,特に宮城県 警において,報償費の不正経理が一切ないことを確認された上で発言されているのでしょうか。もし,確認されているのであれば,ぜひ警察庁長官として,確認 した事実を逐一摘示して,市民県民に説明していただきたいと思います。もし,宮城県警において,報償費の不正経理が一切ないことを確認もせず,かつ,説明 もできないのであれば,貴職の前記発言は無責任の批判を免れません。

5,地方自治,予算執行権限への介入はやめていただきたい

地方には地方予算があり,そこから宮城県警へ多額の捜査報償費(今年度は2300万円)が振り分けられています。これは宮城県知事が責任を持って適 正に執行すべきものです。宮城県知事及び監査委員は適正さを確認すべく適切確実な方法(予算執行書類の確認,捜査員や協力者からの聞き取り等)を選択した のですが,前記のとおり,宮城県警は監査妨害を繰りかえしています。そのため,宮城県知事は「適正執行が確認できない」として報償費予算の執行を停止した のです。適正執行が確認できないのは宮城県警が監査に協力しないからであり,宮城県知事及び監査委員には何らの責任はありません。予算執行の適正さが確認 できないとの判断に疑義があるなら,貴職におかれて後記の指揮監督権限を行使するなどして適正執行を証明すべきであり,それをせずに県知事の執行停止の対 応を批判するなど,地方自治,予算執行権限への介入と言わざるを得ません。

6,本来,貴職がなすべき事

貴職(警察庁長官)は,警察庁の所掌事務について都道府県警察を指揮監督することができる立場にあります(警察法16条第2項)。今般の事態は警察 行政についての重大な不祥事ですから,必要な監察を行う(警察法5条第2項第21号)などして,宮城県警を指揮監督すべきです。警察庁長官は,不正経理が 明らかになった北海道警に対して,また,不正が発覚したその他の警察に対して,どのような指揮監督をされたのでしょうか。行使すべき指揮監督権限を発動す らせず,宮城県知事の対応を批判するなど,貴職の見識を疑わざるを得ません。

7,公開質問事項

そこで,貴職に対して,以下の質問をいたします。本書面到達より,本年7月15日までにご回答くださいますよう,お願いいたします。

  • (1)「警察活動に対する介入で,言語道断だ」との貴職の発言は,いかなる事実関係を把握された上での発言ですか。上記仙台地裁判決の指摘を把握された上での発言ですか。
  • (2)上記仙台地裁判決は,①報償費の使い切り,②不自然に平均的な執行状況,③鑑識課の報償費支出について実例を示せないこと,④鑑識課の報償 費が短期間で配分されなくなったこと,④警視庁における不正疑惑,⑥北海道警の不正,⑦宮城県情報公開審査会の答申内容,⑧宮城県による定期監査と知事要 求の監査に対する県警の対応,⑨知事の提出要求を拒否する県警の対応について指摘しておりますが,それらについて,貴職はどのように考えていますか。判決 の認定に疑義があるとお考えであるなら,その理由をご説明ください。
  • (3)貴職は,全国の警察において,特に宮城県警において,報償費の不正経理が一切ないことを確認されたのでしょうか。もし,確認されているのであれば,ぜひ警察庁長官として,確認した事実を逐一摘示して,説明してください。
  • (4)不正経理が明らかになった北海道警に対して,また,不正が発覚したその他の警察に対して,貴職もしくは前任の警察庁長官は,どのような指揮監督をされたのでしょうか。具体的にお示しください。
  • (5)上記記者会見において,貴職は「協力者と接触している捜査員を知事に会わせることは構わないと思う」と発言されたようですが,捜査員を知事 に会わせるよう,宮城県警に対して指揮していただけますでしょうか。もし,「指揮できない」とのご回答の場合は,その理由をお示しください。

以上

参考資料> 本年6月21日言い渡しの仙台地裁判決書(写し)    1通

〈転載終了〉

 

広告